画像: ©Team Cherry
2025年9月4日にマルチプラットフォームで発売された「Hollow Knight: Silksong」は、2017年発売の傑作メトロイドヴァニア「Hollow Knight」の続編だ。2019年の発表から実に6年、2023年5月には「ゲームが大きくなりすぎた」との理由で無期限延期が発表されるなど、長年多くのファンを待たせ続けた末に満を持して発売された一作でもある。この記事では各メディアのレビューを総合しながら、システム面の特徴や評価のポイントを客観的にまとめていく。長年の延期を経て発売された話題作が、実際にどう評価されているのかも含めて紹介する。
基本情報
| タイトル | Hollow Knight: Silksong |
| 対応機種 | Nintendo Switch/Nintendo Switch 2/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam) |
| 発売日 | 2025年9月4日 |
| ジャンル | メトロイドヴァニア(アクションアドベンチャー) |
| 価格目安 | 2,300円前後(Steam版基準) |
| 開発・発売元 | Team Cherry |
※価格は時期により変動する場合があります。購入前に各ストアで最新価格をご確認ください。
どんな世界なのか
主人公は前作にも登場した「ホーネット」。舞台は崩壊した宗教王国「ファールーム」で、住民たちは"Haunting"と呼ばれる狂気に苦しんでいる。神的存在「Grand Mother Silk」や、蜘蛛のような種族「Weavers」の歴史が物語の軸となっており、前作の主人公「騎士」とはまた異なる視点で描かれる新たな冒険が展開される。壮大な神話と個々のキャラクターの物語が緻密に織り込まれたストーリーテリングは、テキストによる説明を最小限に抑えながらも深い没入感を生み出す、シリーズならではの語り口を継承している。
システム面の見どころ
糸と針を武器にした軽快な戦闘

画像: 公式サイト
前作の主人公「騎士」に比べて、ホーネットはよりアクロバティックで軽快な動きが特徴だ。糸と針を武器にした立ち回りは、前作から正当進化を遂げたアクション性を持ち、200種類以上の敵、40以上のボス戦という圧倒的なボリュームの中で存分に発揮される。空中での連続アクションや素早い回避を駆使したテンポの良い立ち回りは、前作のじっくりとした重厚さとはまた違った爽快感を生み出している。
装備・スキルの強化システム

画像: 公式サイト
新システム「Crest」や「Silk Skills」により、ツールや装備を自分好みに強化していける要素も追加されている。探索を進めて新しい能力を手に入れるたびに行けるエリアが広がっていく、メトロイドヴァニアというジャンルの醍醐味は本作でもしっかり継承されつつ、より奥深いカスタマイズ性が加わっている。行き止まりに見えた道が、新しいスキルを手に入れることで新たな通路に変わる瞬間の驚きは、ジャンルを代表する本シリーズならではの快感だ。腕に自信のあるプレイヤー向けの高難易度モード「スティールソウル・モード」も用意されている。腕試しをしたいベテランプレイヤーにも、じっくり探索を楽しみたい初心者にも、それぞれのペースで挑める懐の深さがある。
手描き風のアートスタイルと世界観の作り込み
前作から受け継がれた手描き風の美しいドット絵アートは、本作でもさらに磨きがかかっている。廃墟と化した王国の陰鬱な雰囲気から、幻想的な色彩に満ちたエリアまで、探索するたびに移り変わる世界観の作り込みが、単なるアクションゲームを超えた芸術性の高さを感じさせる。
各メディアのレビュースコア
- Metacritic: Switch版94/100、PS5版92/100
- IGN: 9/10
- GameSpot: 9/10
- Eurogamer: 5/5
いずれのメディアも軒並み高評価で足並みが揃っており、Nintendo Lifeも満点評価を付けるなど、前作を超える傑作との呼び声も高い。長年の延期を経てもなお、これだけ足並みの揃った高評価を獲得できたことは、開発チームの妥協なきものづくりの姿勢を裏付けていると言えるだろう。
高評価ポイント
- 前作からの正当進化を遂げた、探索・戦闘両面での高い完成度
- 200種類以上の敵、40以上のボス戦という圧倒的なコンテンツ量
- Christopher Larkin氏によるオーケストラサウンドトラックの完成度
- 新システムによる装備・スキルカスタマイズの奥深さ
気になる点
- 敵のダメージが前作より増加しており、シリーズ恒例の高難易度がさらに際立っている
- VGCなど一部メディアは60点とやや辛口の評価を付けている
- 探索範囲が非常に広く、目的地を見失いやすいと感じるプレイヤーもいる
- 発売当日、需要の集中によりSteam・Nintendo eShop・Microsoft Store・PlayStation Storeが同時にクラッシュするトラブルが発生した(Steamの同時接続者数が50万人を超えたことが一因とされる)
前作との違い・シリーズとしての位置づけ
2017年発売の前作『Hollow Knight』の直接的な続編にあたる本作は、主人公が「騎士」から「ホーネット」に交代し、新しいアクション体系と全体的な難易度上昇が主な変化点だ。2019年の発表から6年、2023年の無期限延期を経て発売されるまで、多くのファンが待ち続けたタイトルでもある。開発チームTeam Cherryはわずか数名という小規模スタジオながら、これほどの規模と完成度を持つ作品を作り上げた点も業界内で高く評価されている。セールス面でも好調で、2025年12月中旬時点で全世界販売本数は700万本を突破。発売から3日間でXbox Game Pass経由の100万人を含む500万人以上がプレイしたと報告されており、長年の期待に応える形で記録的なヒットとなった。発売日のストア障害という異例の事態も、裏を返せばそれだけ本作への期待が高かったことの証左と言えるだろう。
こんな人におすすめ/おすすめしない人
おすすめな人:前作『Hollow Knight』をプレイ済みで続編を心待ちにしていた人、歯応えのあるメトロイドヴァニアを求める人、美しいドット絵アートとオーケストラサウンドトラックが好きな人。
おすすめしない人:高難易度アクションが苦手な人には、前作以上に厳しい戦闘バランスがハードルになる可能性がある。じっくり時間をかけてでも達成感を味わいたいというタイプの人には、むしろこの手強さこそが醍醐味になるだろう。シリーズ未経験の場合は、前作『Hollow Knight』から始める方が世界観をより深く理解できる。逆に自分の力でじっくり地図を埋めていくタイプの探索が好きな人には、この広大さこそが最大の魅力になるはずだ。
まとめ
「Hollow Knight: Silksong」は、長年の開発延期を経て満を持して発売され、Metacritic 92〜94・IGN/GameSpot 9・Eurogamer満点という高評価を獲得した傑作メトロイドヴァニアだ。発売から4ヶ月足らずで全世界700万本を突破する記録的なヒットとなっており、前作のファンはもちろん、歯応えのあるアクションアドベンチャーを求める人には自信を持っておすすめできる一作だ。長い年月をかけて磨き上げられた本作は、待たされた時間さえも納得させるだけの完成度を備えていると言えるだろう。