画像: ©2015 CD PROJEKT S.A. The Witcher 3: Wild Hunt.
ポーランドのCD PROJEKT REDが開発したオープンワールド・アクションRPG「ウィッチャー3 ワイルドハント(The Witcher 3: Wild Hunt)」が2015年5月19日にPS4・PC・Xbox One向けに発売された。アンドレイ・サプコフスキの小説を原作とするシリーズの完結編で、怪物退治を生業とする「ウィッチャー」のゲラルトが、育ての娘シリを追って戦乱の大陸を旅する物語だ。密度の高いサブクエスト、選択で分岐する物語、2つの大型拡張の完成度が絶賛され、The Game Awards 2015で年間最優秀ゲームを受賞。2022年には無料の次世代機アップデートでPS5・Xbox Series X|S版が追加され、2024年時点でシリーズ累計9,000万本を超える大ヒット作となっている。この記事では各メディアのレビューを総合しながら、本作の特徴を客観的にまとめていく。
基本情報
| タイトル | ウィッチャー3 ワイルドハント(The Witcher 3: Wild Hunt) |
| 対応機種 | PlayStation 5/PlayStation 4/PC(Steam・GOG)/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch。Nintendo Switch 2では強化されたアップグレード版が動作 |
| 発売日 | 2015年5月19日/PS5・Xbox Series版(次世代アップデート)は2022年12月14日/Switch版は2019年10月15日 |
| ジャンル | オープンワールド・アクションRPG |
| 価格目安 | 2つの拡張を含む「コンプリートエディション」3,600〜5,000円前後。セール時は1,000円台のことも |
| レーティング | CERO Z(18才以上のみ対象) |
| 開発・発売元 | CD PROJEKT RED。ゲームディレクター:コンラッド・トマシュキェヴィチ |
※価格は時期・エディションにより変動します。購入前に各ストアで最新価格をご確認ください。日本語は字幕のみ対応(音声は英語・ポーランド語など)です。
どんなゲームなのか

画像: Steamストアページ
娘シリを追う、ウィッチャー・ゲラルトの旅
主人公は、突然変異で人ならぬ力を得た怪物退治の専門家「ウィッチャー」、リヴィアのゲラルト。育ての娘シリが、世界を渡り歩く亡霊の一団「ワイルドハント」に狙われていると知り、彼女の行方を追って戦争で荒れた北方諸国を旅する。物語は「白の果樹園」から始まり、湿地帯のヴェレン、大都市ノヴィグラド、島国スケリッジと舞台を移していく。メインだけで約50時間、サブクエストや2つの拡張を含めると150時間を超えるボリュームだ。
「片手間の依頼」がない、サブクエストの質
本作が最も高く評価されるのは、サブクエストの作り込みだ。掲示板の小さな怪物退治依頼一つにも背景となる人間ドラマや倫理的な選択があり、「善人を助けたつもりが悲劇を招く」といった苦い結末も珍しくない。メインとサブの境目を感じさせない密度が、その後のオープンワールドRPGの基準を引き上げたと言われる。
システム面の見どころ

画像: Steamストアページ
剣・サイン・錬金術を使い分ける戦闘
戦闘は、素早い斬撃と強い斬撃、回避とステップ、そして5種類の「サイン(印)」と呼ばれる簡易魔法(炎、防御シールド、精神操作、罠、衝撃波)を組み合わせるアクション。怪物ごとに弱点となる爆弾・オイル・霊薬を事前に準備し、図鑑で生態を調べてから挑む「狩りの支度」が本作らしさだ。難易度は幅広く選べる。
選択の分岐とマルチエンディング

画像: Steamストアページ
会話や行動の選択は、キャラクターの生死、国の統治者、そしてシリの運命を含む複数の結末に影響する。分かりやすい「善悪」ではなく、どちらを選んでも痛みが残るような設計が多い。作中のカードゲーム「グウェント」は単体で成立するミニゲームとして人気を博し、後に独立したゲームにもなった。
2つの大型拡張
拡張「血塗られた美酒(Blood and Wine)」と「石の心(Hearts of Stone)」は、それぞれ単体のRPG並みのボリュームと物語を持ち、本編以上に評価する声もある。現在流通している「コンプリートエディション」にはこれらが同梱されている。
高評価ポイント
- メインと見分けがつかないほど作り込まれた、サブクエストの物語性
- 善悪では割り切れない選択と、それが積み重なるマルチエンディング
- 剣・サイン・錬金術と「狩りの支度」を組み合わせる、準備重視の戦闘
- ヴェレン、ノヴィグラド、スケリッジと表情の異なる広大なオープンワールド
- 本編に匹敵する2つの大型拡張と、独立作にもなったカードゲーム「グウェント」
各メディアのスコア
- Metacritic: 93/100(PC版)、92/100(PS4版)、84/100(Switch版)
- ファミ通クロスレビュー: 38/40(プラチナ殿堂入り)
- IGN: 9.3/10
- GameSpot: 10/10
The Game Awards 2015をはじめ、その年の各賞で年間最優秀ゲームに選ばれた。「オープンワールドRPGの物語の水準を書き換えた」との評価が定着している。Netflixの実写ドラマ『ウィッチャー』(2019年〜)の人気もあり売上は伸び続け、2024年時点で本作単体で全世界6,000万本、シリーズ累計9,000万本を突破。発売から年数を経てなお売れ続けている稀有なタイトルだ。
気になる点
- 発売から年数が経ち、移動・インベントリまわりの操作性には古さを感じる部分がある
- ボリュームが非常に大きく、すべて遊ぼうとすると150時間以上かかる
- 戦闘アクションそのものは、専用のアクションゲームと比べると大味との指摘がある
- 成人向け(CERO Z)で、暴力・性的表現を含む
前作・シリーズとの関係
『ウィッチャー』『ウィッチャー2』(2007・2011年)はゲラルトを主人公とする前2作で、本作『3』はその完結編にあたる。ただし物語の要点は作中で説明され、前作未プレイでも問題なく楽しめるよう配慮されている。原作小説を読んでいるとより深く味わえるが必須ではない。同じスタジオの次作『サイバーパンク2077』は、視点も世界観も異なるが「サブクエストの作り込み」「選択の重さ」という思想を引き継いでいる。
機種による違い
PC版・PS4版のMetacriticは93・92と最高評価帯。2022年の次世代アップデートでPS5・Xbox Series X|S版が追加され、レイトレーシング、高速ロード、フォトモード、ドラマ由来の追加装備などが無料で提供された。Switch版はスコア84で、携帯できる利点と引き換えに解像度・描画で妥協がある。Switch 2ではアップグレード版が動作する。据え置きで最高の体験を求めるならPS5版かPC版だ。
こんな人におすすめ/おすすめしない人
おすすめな人:物語とサブクエストの質を最重視する人、善悪で割り切れない選択を味わいたい人、腰を据えて長く遊べるオープンワールドRPGを探している人、ダークファンタジーの世界観が好きな人、Netflixドラマから入って原作の物語に興味を持った人。
おすすめしない人:反射神経を要する爽快なアクションを求める人、短時間で区切って遊びたい人、成人向けの表現が苦手な人には向きにくい。
まとめ
「ウィッチャー3 ワイルドハント」は、ウィッチャー・ゲラルトが娘シリを追う旅を通じて、オープンワールドRPGの物語水準を塗り替えた一本だ。メインと区別がつかないサブクエストの密度、痛みを伴うマルチエンディング、本編級の2大拡張が評価され、Metacritic93点・ファミ通38点・The Game Awards 2015 GOTY・シリーズ累計9,000万本という結果につながった。発売から10年が経ってなお、RPGを語るうえで基準とされ続ける金字塔と言える。