画像: ©NEOWIZ. Lies of P.
韓国のNEOWIZ(ネオウィズ)が開発したソウルライク・アクションRPG「Lies of P(ライズ オブ ピー)」が2023年9月19日にPS5・PS4・PC・Xbox向けに発売された。『ピノッキオの冒険』を下敷きに、ベル・エポック期の建築様式を思わせる崩壊した都市「クラット」を舞台にした、ダークな人形の物語だ。フロム・ソフトウェアの『Bloodborne』を強く想起させる作風ながら、武器の組み替えや「嘘をつく」という独自要素で高い評価を獲得。発売初月で全世界100万本を売り上げ、Xbox・PC Game Passでも配信されて大きく話題になった。この記事では各メディアのレビューを総合しながら、本作の特徴を客観的にまとめていく。
基本情報
| タイトル | Lies of P(ライズ オブ ピー) |
| 対応機種 | PlayStation 5/PlayStation 4/PC(Steam)/Xbox Series X|S/Xbox One。Nintendo Switch・Switch 2版はなし |
| 発売日 | 2023年9月19日 |
| ジャンル | アクションRPG(ソウルライク) |
| 価格目安 | ダウンロード版 5,980円(税込)前後。Game Pass対象 |
| レーティング | CERO D(17才以上対象) |
| 開発・発売元 | NEOWIZ / Round8 Studio。ディレクター:チェ・ジウォン |
※価格は時期・エディションにより変動します。購入前に各ストアで最新価格をご確認ください。無料の体験版が配信されています。
どんなゲームなのか

画像: Steamストアページ
『ピノッキオ』を暗く読み替えた物語
主人公は、人形師ゼペットによって作られた人形「P」。かつて栄華を誇った都市クラットは、人間を守るはずの人形たちが突如暴走する「人形の狂気」と、石化していく疫病「エルゴ病」によって崩壊していた。Pはゼペットを探し、駅に集う数少ない生存者たちと関わりながら、街の悲劇の真相へと近づいていく。原作童話のキャラクターや挿話が、随所にダークな形で織り込まれているのが大きな特徴だ。物語のクリアには25〜35時間ほどかかる。
『Bloodborne』を思わせる高速の攻防
多くのレビューが指摘するとおり、暗く重厚な都市探索・積極的な攻めを促す戦闘・断片的に語られる世界観は、フロム作品、とりわけ『Bloodborne』に非常に近い。一方で本作は、後述する武器の組み替えや「嘘」のシステムによって、単なる模倣にとどまらない個性を打ち出している。
システム面の見どころ

画像: Steamストアページ
ブレードとハンドルを組み替える武器システム
本作最大の独自要素が、武器を「刃(ブレード)」と「柄(ハンドル)」に分解し、自由に付け替えられる点だ。切れ味の良い刃に重い柄を組み合わせて攻撃力を底上げしたり、能力補正の合う組み合わせでビルドを最適化したりできる。さらに左腕には交換式の特殊武器「リージョンアーム」を装備でき、火炎放射・グラップリング・盾などで立ち回りの幅が広がる。
ガードとパリィ(ジャストガード)
戦闘の軸は、攻撃を受ける瞬間に合わせる「ジャストガード」だ。成功すると被ダメージを無効化しつつ敵の武器耐久を削り、崩れた敵に致命の一撃を狙える。回避よりも受けを主体にした攻防で、リズムを掴めるまでは厳しいが、決まったときの手応えは大きい。武器の「フェイブルアーツ」や、状態異常・属性を絡めた攻略も用意されている。
「嘘をつく」という選択

画像: Steamストアページ
物語の要所で、Pは人間らしく「嘘をつく」か、人形として「真実を言う」かを選ぶ。嘘を重ねるほどPは人間に近づき、表情や特定イベント、最終的な結末が変化する。マルチエンディング制で、選択とサイドクエストの結果によって複数の結末に分岐する。クリア後は強くてニューゲームや高難度が解放され、2025年には前日譚を描く大型DLC「Overture」が配信された。周回では選ばなかった選択肢やボスの別ルートを回収でき、装備・アミュレット・P機関(ステータス強化)の振り直しを含めたビルドの作り込みが本番になる。
高評価ポイント
- ベル・エポック風の退廃都市を描いた美術と、重厚なダークファンタジーの世界観
- 刃と柄を組み替える武器システムによる、ビルド構築の自由度
- ジャストガードを軸にした、緊張感のある攻防のリズム
- 『ピノッキオ』を下敷きにした物語と、「嘘」による分岐という独自の切り口
- ソウルライクとして完成度が高く、フロム作品の“代わり”になり得ると評された点
各メディアのスコア
- Metacritic: 80/100前後(PS5版・PC版とも高評価帯)
- IGN: 8/10
- GameSpot: 7/10
- Steam ユーザーレビュー: 「非常に好評」
「フロムのフォロワー作品の中でも頭一つ抜けた出来」との評価が多く、The Game Awards 2023ではベストRPG部門にノミネートされた。売上は発売初月で全世界100万本、その後も伸び続け、Game Pass経由を含めると2026年時点でシリーズを遊んだプレイヤーは数百万規模に達している。続編の制作も発表済みだ。
気になる点
- 『Bloodborne』などフロム作品との類似が強く、既視感を指摘する声がある
- ジャストガード主体のため、回避主体で戦いたいプレイヤーには序盤が特に厳しい
- 一部のボスの体力・攻撃頻度が高く、発売直後は難度調整を求める意見があった(のちに緩和パッチ)
- 探索エリアは魅力的だが、ショートカットの繋がりがやや分かりにくい区間がある
ソウルライクというジャンルの中での位置づけ
「ソウルライク」は、フロム・ソフトウェアの『DARK SOULS』シリーズが確立した、死にながら学ぶ高難度アクションRPGの総称だ。本作はその文法を忠実になぞりつつ、武器の分解・組み替え、左腕のリージョンアーム、嘘による分岐といった要素で差別化を図っている。『SEKIRO』のパリィ、『Bloodborne』の攻めの姿勢を組み合わせたような戦闘感で、フロム作品を遊び尽くしたプレイヤーの「次の一本」として名前が挙がることが多い。
機種による違い
PS5版・Xbox Series X|S版は高フレームレートとレイトレーシングに対応し、ロードも短い。PS4版・Xbox One版は解像度・フレームレート面で見劣りするが内容は同一だ。PC版はGame Pass(PC)対象で、ハイエンド環境なら最も美しい。PS5版はDualSenseの振動がジャストガードの手応えを補強しており、家庭用機で遊ぶならPS5版が基本の選択肢になる。
こんな人におすすめ/おすすめしない人
おすすめな人:『Bloodborne』『SEKIRO』が好きで似た体験をもう一度味わいたい人、武器のビルド構築を楽しみたい人、退廃的なダークファンタジーの世界観が好きな人、歯ごたえのある攻防を求める人。
おすすめしない人:高難度アクションが苦手で難度を下げて遊びたい人、回避主体の軽快なアクションを好む人、フロム作品との類似が気になる人には合いにくい。
まとめ
「Lies of P」は、韓国のスタジオが『ピノッキオ』とフロム作品への愛を注ぎ込んで作り上げた、完成度の高いソウルライクだ。退廃都市クラットの美術、刃と柄を組み替える武器システム、ジャストガードの攻防、そして「嘘」による分岐が高く評価され、Metacritic80点前後・発売初月100万本・続編制作決定という結果につながった。フロム作品を遊び尽くした人の「次の一本」として、まず名前が挙がる一作と言える。