画像: ©2019 FromSoftware, Inc. / ©2019 Activision Publishing, Inc. SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE.
フロム・ソフトウェアが開発したアクションアドベンチャー「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE(隻狼)」が2019年3月22日にPS4・PC・Xbox One向けに発売された。戦国末期の日本を舞台に、片腕を失った忍び「狼」が、主君を取り戻すために戦う物語だ。『DARK SOULS』シリーズで知られるフロムが、剣戟の「弾き(パリィ)」に特化した新機軸のアクションとして作り上げ、The Game Awards 2019で年間最優秀ゲーム(GOTY)を受賞。2024年時点で全世界1,500万本を超える、フロム作品でも屈指のヒット作となっている。PS5でも後方互換で快適に動作し、今なお新規プレイヤーが絶えない一本だ。この記事では各メディアのレビューを総合しながら、本作の特徴を客観的にまとめていく。
基本情報
| タイトル | SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE(隻狼) |
| 対応機種 | PlayStation 4/PC(Steam)/Xbox One。PlayStation 5では後方互換で動作(60fps)。Nintendo Switch・Switch 2版はなし |
| 発売日 | 2019年3月22日 |
| ジャンル | アクションアドベンチャー(死にゲー) |
| 価格目安 | 通常版 3,000〜5,000円前後。GOTYエディション(追加要素同梱)も同価格帯で流通 |
| レーティング | CERO D(17才以上対象) |
| 開発・発売元 | 開発:フロム・ソフトウェア/発売:アクティビジョン(海外)・フロム/KADOKAWA(国内)。ディレクター:宮崎英高 |
※価格は時期・エディションにより変動します。購入前に各ストアで最新価格をご確認ください。
どんなゲームなのか

画像: Steamストアページ
主君を取り戻す忍びの物語
舞台は戦国の世が終わろうとする架空の地「葦名(あしな)」。主人公の忍び「狼」は、不死の力を宿す少年「御子(みこ)」を守る任にあったが、敵に襲われて主君をさらわれ、左腕を斬り落とされる。命を拾った狼は、義手の忍具「忍義手」を得て、御子を取り戻すべく葦名の内乱に身を投じていく。会話やイベントで語られる物語は、フロム作品の中では比較的筋が追いやすく、複数のエンディングが用意されている。クリアまでは30時間前後だ。
探索とステルスのある一本道
マップは葦名城を中心に、山寺・源の宮・地下水路などが立体的につながる半オープン構造。カギとなるのが縦方向の移動で、鉤縄(かぎなわ)を使って屋根や崖の上へ一気に移動し、高所から敵を「忍殺(暗殺)」できる。正面から戦うか、忍びらしく気配を消して数を減らすか、プレイヤーが選べる。
システム面の見どころ

画像: Steamストアページ
体幹システムと「弾き」
本作の戦闘は、体力ではなく「体幹(たいかん)」ゲージを崩すことを主眼に置く。敵の攻撃を回避ではなくタイミングよく「弾く」ことで相手の体幹を削り、限界まで追い込むと一撃で仕留める「忍殺」が発動する。攻撃をひたすら弾き返し、刀と刀が噛み合う剣戟のリズムを掴むゲームで、『DARK SOULS』の「盾で受けて隙に攻撃」とはまったく別物のアクションになっている。
忍義手と流派技
左腕の忍義手には、手裏剣・斧・火吹き筒・傘といった仕込み忍具を装着でき、盾持ちや炎に弱い敵などに刺さる。加えて、経験値を消費して覚える「流派技」で、居合や体幹攻撃に特化した技を習得。敵の攻撃の種類(斬り・突き・薙ぎ・掴み)を見切り、危険攻撃を示す「危」マークに対応する反応ゲームでもある。
GOTYエディションの追加要素

画像: Steamストアページ
2020年の無料アップデートで、ボスと連戦する「強敵撃破の記憶」、条件付きの連戦「仕合」、見た目を変える「装衣」などが追加された。難易度選択やマルチプレイはなく、固定の主人公・固定の成長ルートで、全プレイヤーが同じ土俵で腕を磨く設計が最後まで貫かれている。
高評価ポイント
- 刀のぶつかり合いを「弾き」で制す、これまでにない剣戟アクションの手触り
- 体幹システムによる、攻めれば攻めるほど有利になる攻撃的な戦闘設計
- 鉤縄を使った立体的な移動と、ステルス・忍殺を絡めた探索の自由度
- 戦国末期の葦名を描いた美術と、静と動のメリハリが効いた演出
- 強敵を倒したときの達成感の大きさと、上達を実感できる学習曲線
各メディアのスコア
- Metacritic: 90/100(PS4版)、88/100(PC版)
- ファミ通クロスレビュー: 37/40(プラチナ殿堂入り)
- IGN: 9/10
- GameSpot: 9/10
The Game Awards 2019では『Death Stranding』『バイオハザード RE:2』などを抑えて年間最優秀ゲーム賞を受賞。DICEアワードやゲーム・デベロッパーズ・チョイス・アワードでもGOTYに選ばれた。「難しいが理不尽ではなく、乗り越えたときの快感が飛び抜けている」という評価が各メディアで共通していた。売上は発売10日で全世界200万本、2022年に1,000万本、2024年には1,500万本を突破している。
気になる点
- 難易度選択がなく、「弾き」のリズムを掴めないプレイヤーには序盤の壁が非常に高い
- ビルドやレベル上げでゴリ押しできる余地が少なく、アクションの上達がほぼ必須
- 回避主体の『DARK SOULS』の感覚で挑むと、かえって苦戦しやすい
- マルチプレイや協力プレイがなく、詰まったときに人を呼べない
他のフロム作品との違い
『DARK SOULS』『ELDEN RING』は、レベル・装備・ビルドの積み重ねで難所を突破するRPG寄りの作品だ。対して『SEKIRO』は主人公も成長ルートも固定で、勝敗はほぼプレイヤーのアクションの腕に委ねられる。盾で受けるのではなく刀で弾く、回避ではなく前に出る、という価値観の転換が最大の違いで、フロム作品の中でも「純アクション」として独立した位置にある。のちの『ELDEN RING』にも一部の「弾き」の要素が受け継がれている。
機種による違い
オリジナルはPS4・Xbox One・PC向け。PS4 Proでは高解像度・安定フレームレートで動作し、PS5では後方互換により60fpsで快適に遊べる。PC版は高フレームレート・高解像度に対応するが、Metacriticのスコアはコンソール版がやや上。現行機で新規に始めるならPS5(後方互換)かPC版が選択肢となり、内容はいずれも同一だ。
こんな人におすすめ/おすすめしない人
おすすめな人:手応えのある一対一の剣戟を求める人、上達の実感を味わいたい人、『ゴースト・オブ・ツシマ』や時代劇的な世界観が好きな人、フロム作品の中でも純粋なアクションを遊びたい人。
おすすめしない人:難易度を下げて気楽に進めたい人、ビルドやレベル上げで攻略の幅を持たせたい人、協力プレイで助け合いながら進みたい人には向きにくい。
まとめ
「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」は、刀と刀のぶつかり合いを「弾き」で制する、フロム・ソフトウェアの新機軸アクションだ。体幹システムによる攻撃的な戦闘、鉤縄を使った立体的な探索、戦国末期の葦名を描いた美術が高く評価され、Metacritic90点(PS4)・ファミ通37点・The Game Awards 2019 GOTY・全世界1,500万本という結果につながった。難度は高いが、それを乗り越えたときの達成感は唯一無二で、発売から時間が経った今もアクション好きに強く勧められる一本と言える。