画像: ©SQUARE ENIX
2022年3月4日にNintendo Switchで発売された「TRIANGLE STRATEGY(トライアングルストラテジー)」は、『オクトパストラベラー』でおなじみのHD-2Dグラフィックを採用した、スクウェア・エニックスのタクティクスRPGだ。高低差を活用した戦略性の高いバトルに加え、物語の岐路で仲間たちと投票により行き先を決める「合議」システムという独自の仕組みが大きな話題を呼んだ。この記事では各メディアのレビューを総合しながら、システム面の特徴や評価のポイントを客観的にまとめていく。
基本情報
| タイトル | TRIANGLE STRATEGY(トライアングルストラテジー) |
| 対応機種 | Nintendo Switch |
| 発売日 | 2022年3月4日 |
| ジャンル | タクティクスRPG(シミュレーションRPG) |
| 価格 | 7,680円(税込) |
| 開発・発売元 | アートディンク&スクウェア・エニックス浅野チーム(開発)/スクウェア・エニックス(発売) |
※価格は時期により変動する場合があります。購入前に各ストアで最新価格をご確認ください。発売前には2021年2月・2022年2月の2回にわたり体験版が配信され、寄せられたフィードバックが製品版の戦闘テンポやUI調整に反映された経緯がある。
どんな物語なのか
舞台は架空の大陸「ノゼリア大陸」。かつて塩・鉄・竜金という3つの資源を巡って周辺国が争った「塩鉄戦争」の記憶が色濃く残る世界が舞台だ。主人公はグリンブルク王国(塩の国)の貴族ウォルホート家の嫡男セレノア。物語は、周辺国であるエスフロスト公国(鉄の国)、聖ハイサンド教国(竜金の国)との複雑な政治的駆け引きの中で進んでいく。単純な勧善懲悪ではなく、それぞれの国・キャラクターに固有の正義や利害がある骨太な政治劇として描かれており、プレイヤーの選択と信念によって物語の行き先が大きく変わっていく構成が本作最大の魅力になっている。
3国の対立が生む重層的な政治劇
塩鉄戦争終結後、3国は共同で新たな鉱山の開発を進めていたが、水面下では資源と権益を巡る緊張関係がくすぶり続けている。グリンブルクは生活に欠かせない塩を、エスフロストは武具や産業の要となる鉄を、そしてハイサンドは信仰と深く結びついた貴重な竜金をそれぞれ握っており、どの国も自国の資源を手放せば国力そのものが揺らぐという構造になっている。セレノアはウォルホート家の嫡男として、この3すくみの緊張関係の渦中に否応なく巻き込まれていく。どの国にも一方的な悪役はおらず、それぞれの立場から見れば筋の通った主張がある点が、本作の物語を単純な勧善懲悪に終わらせない厚みを生んでいる。
発売前の体験版フィードバックが製品版に反映
本作は発売に先駆けて2021年2月と2022年2月の2回、体験版が配信されたことでも知られている。特に2022年2月配信の「プロローグ体験版」は物語序盤の第1話から第3話までを実際にプレイでき、セーブデータを製品版にそのまま引き継げる仕様だった。ここで寄せられた戦闘テンポやUIまわりのフィードバックが製品版の調整に活かされており、発売前から双方向のやり取りを重ねて完成度を高めていった開発姿勢がうかがえる。
システム面の見どころ
高低差を活かした戦略性の高いバトル

画像: 公式サイト
バトルは『オクトパストラベラー』と同じHD-2Dグラフィックによるクォータービューで描かれる、高低差のあるマス目状フィールドで展開される。高所から攻撃するとダメージにボーナスが入るほか、炎上・氷結・帯電といった環境ギミックを組み合わせて敵を一掃するなど、位置取りと環境利用が勝敗を大きく左右する戦術性の高いバトルデザインになっている。キャラクターごとに天候を操るアビリティや遠投できるアイテムなど個性的な能力を持ち、パーティ編成やマップごとの地形読みが攻略の鍵を握る。
物語の分岐を決める「合議」システム

画像: 公式サイト
本作最大の特徴が、主人公の生家ウォルホート家に伝わる「合議」というシステムだ。物語の重要な岐路では、天秤(スケール)に投票用のコインを置き、パーティメンバー全員の多数決で進む道を決めるという独自の仕組みが採用されている。プレイヤー自身の一票だけでなく、仲間キャラクターにも投票権があり、自分の意見と異なる仲間がいれば事前に会話で説得を試みて票を変えさせる必要がある。各キャラクターは「利(BENEFIT)」「情(MORAL)」「理(FREEDOM)」という3つの価値観を密かに持っており、これまでの行動や会話選択によって変動する信念のバランスが、投票行動やその後のストーリー分岐、さらには仲間の加入可否にまで影響していく。単なる選択肢を選ぶだけの分岐ではなく、仲間の価値観を理解し説得するというロールプレイ性の高さが高く評価されているポイントだ。
各メディアのレビュースコア
- Metacritic: 83/100("Generally Favorable")
- IGN: 8/10
- GameSpot: 8/10
- Game Informer: 8.3/10
- ファミ通クロスレビュー: 9・9・9・8点(合計35/40、プラチナ殿堂入り)
いずれのメディアも高水準の評価で足並みが揃っており、政治劇としての物語の重厚さと合議システムの独自性が高く評価されている点で各メディアの意見が一致している。
高評価ポイント
- 単純な善悪二元論に留まらない、骨太で重厚な政治劇としての物語
- 「合議」システムによる、仲間の信念を理解し説得するロールプレイ性の高い分岐選択
- 高低差や環境ギミックを活かした戦術性の高いコマンドバトル
- 『オクトパストラベラー』譲りの美麗なHD-2Dグラフィック
- 選択と信念の積み重ねによって行き先が変わる複数エンディング
気になる点
- 会話・ナレーションパートが長く、全体的なテンポの遅さを指摘する声が複数メディアから挙がっている。戦闘が連続する場面がある一方、1時間以上会話だけが続く場面もあり、バランスの偏りを感じるプレイヤーもいる
- 信念ポイントの変動量が画面上に明示されないなど、合議システムの内部処理がやや不透明という指摘がある
- 主人公セレノアをはじめメインキャラクターの人物描写が単調に感じられるという意見もある(IGN)
- チュートリアルパートの長さや一部UI操作性への言及も見られる
こんな人におすすめ/おすすめしない人
おすすめな人:単純な勧善懲悪ではない骨太な政治劇を楽しみたい人、選択と信念によって物語が変化する分岐型ストーリーが好きな人、高低差や環境ギミックを活かした戦術性の高いタクティクスバトルを求める人。『オクトパストラベラー』のHD-2Dグラフィックが好きだった人にもおすすめできる。
おすすめしない人:テンポよくサクサク進めたい人には、長い会話パートがネックに感じられる可能性がある。逆にじっくり物語を読み込みながら政治劇に浸りたい人には、その情報量の多さがむしろ魅力になるはずだ。
まとめ
「TRIANGLE STRATEGY(トライアングルストラテジー)」は、高低差を活かした戦術性の高いバトルと、仲間の信念を理解し説得する「合議」システムを軸に、Metacritic 83・IGN8・GameSpot8という高評価を獲得した骨太なタクティクスRPGだ。会話パートの長さによるテンポの偏りには賛否があるものの、単純な善悪では割り切れない重厚な政治劇と、選択の積み重ねが物語を大きく左右する分岐システムは高く評価されている。発売から約9ヶ月半で全世界累計100万本を突破するヒットを記録しており、じっくり物語に向き合いたいタクティクスRPGファンには自信を持っておすすめできる一作だ。